【 陰陽平衡 】( いんようへいこう )
 陰陽の対立と制約により平衡(バランス)が保たれている状態。

《 引用文献 》
@陰陽:中国古代哲学理論を構成する要素の1つ。最初の陰陽の概念は大変素朴なもので、日光に対して向かい合うか背を向けるかの違いで陰陽が決定された。日光に向かい合うものが陽、背を向けるものが陰とされた。古代中国人は、まずすべての事物・現象には正・反という2つの側面(陰陽)があることを観察した。すなわち気候の寒暖、方位の上下・左右・内外、運動状態における動静などである。そして、その観察結果から得られた陰陽の概念をもって、自然界のすべての現象を分類し、万物が流転・変化する自然界の法則を、陰と陽が相互に対立し、また消長するシステムとして示したのである。すなわち、陰陽とは、自然界に存在する事物と現象が相互に対立しながらも統一されている様相を説明する概念であるといえる。さらに陰と陽とは事物間の対立を代表するだけではなく、1つの事物に内在する相互対立をも示す。このように万物は無限に陰陽に分割されていき、そ様相を固定的にとらえることはできない。一般的に、「陽」は軽清・機能・亢進・運動・上昇あるいは熱性の性質といった側面を、「陰」は重濁・形態・衰退・静止・下降あるいは寒性の性質といった側面を代表する。例えば、1日の中では昼が陽であり夜が陰、また季節では炎熱の夏季が陽であり寒冷の冬季が陰である。(中医基本用語辞典)