《 引用文献 》
@「脈]とは,脈象つまり脈拍の変化を指す。「証」は虚証とか実証などといった証候である。臨床の弁証施治のとき、脈象は参考に値する重要な価値をもっている。脈と証候を合わせて病状を分析して、はじめて正確に弁証できる。この過程を脈証合参という。一般的にいえば、虚証で細脈や無力の脈がみられるのは、治療が容易である。こうした状況を脈証相合という。これに対し、虚証で大脈や有力の脈がみられるのは,脈証相反で,そうした病の多くは難治である。この種の状況を脈証不符という。(中医基本用語辞典)
A脈の動きが診察者の指に応じる形象である。頻率・律度・充満度・通暢の情況・動勢の和緩と波動の振幅などを含んでいる。これらの特徴にしたがって分類できる脈象は数十種類にのぼるが、比較的よく用いられるものは二十八脈がある。王叔和の『脈経』には二十四種の脈、李時珍『瀕湖脈学』には、二十七の脈象があげられており、李士材は更に疾脈を入れて、二十八種の脈とした。臨床ではよく浮数・沈細に遅などのように二種以上の脈象が同時に見られる。脈象は弁証の重要なポイントの一つであるが、その他の診法とも合わせて全面的な分析を進めなければならない。『霊枢・逆順』「脈の盛衰は血気の虚実、有余不足を候うゆえんなり」(中医日漢双解辞典)
B指に応じる脈動の形象。速さ・リズム・充満度・通暢の状況、拍動の強さ・波動の幅度などを含む。晋・王叔和『脈経』ではこれらの脈証を24種の脈象としてまとめ、元・滑寿『診家枢要』では、30種の脈象に発展させ、明・李時珍『瀕湖脈学』では27脈に定め、明・李士材『診家正眼』には疾脈が加えられ、28脈になった。後世はこれに従い28脈を用いることが多い。(中医大辞典)