【 原気・元気 】( げんき )
 人体の最も根本・最重要の気であり、生命活動の原動力であり、丹田に蔵される。先天の気・真気のこと。  [詳細参照]


@ 『中医大辞典』
 元気とも呼ばれる。元陰と元陽の気を含む。先天より受け継ぎ、後天の栄養により育まれ、先天の精より化生するためこの名で呼ばれる。それは腎(命門を含む)より起こり、丹田に蔵され、三焦の道を借り全身に通じ、五臓六腑等全ての器官組織の活動を推動するため生化動力の源泉とされる。『難経・三十六難』:“命門者、諸精神之所舎、原気之所系也"

A 『中医日漢双解辞典』
 @.原気 A.人体の正気のこと

B 『中医基本用語辞典』
 元気ともいう。腎に源を発し、元陰と元陽の気が含まれる。これは人が先天的に受け継ぐ先天の精気が化生したものであることから元気ともいう。(「難経」第三十六難)元気が絶え間なく作用を発揮し続けるには、後天の水穀の精気による滋養が必要である。元気には臓腑の機能活動を推動し、活発にする作用があるため、人体の生化の原動力とみなされる。もし元気が充足していれば、臓腑の機能は活発になり病気に対する抵抗力が増して病気にかかりにくくなる。逆に、元気が不足すると臓腑の機能は低下し、抵抗力が衰えて病変が生じる。そのため中医学では元気を養うことを非常に重視し養生や老化防止のために大変重要な意義があるとしている。

C 『新世紀全国高等中医薬院校規劃教材 中医基礎理論』
 人体の最も根本・最重要の気であり、これは人体生命活動の原動力である。

D 『普通高等教育中医薬類規劃教材 中医基礎理論』
 人体中の最基本・最重要で腎を根源とする気であり、元陰・元陽の気を含む。

E 『全国高等中医薬院校外国進修生教材 中医基礎理論』
 元気:“原気"“真気"ともいい、人体最基本・最重要な気で、人体生命活動の原動力。

F 『東洋医学概論(教科書)』 
 両親から受け継いだ先天の精が変化化生したもので、生命活動の原動力となるものである。(食欲、性欲、そのほか生きようとする欲求をもたらす気) 原気は、中焦よりもたらされる、後天の精気によって補給され、臍下丹田(陰交・気海・石門・関元のあたり)にあつまり、三焦の働きにより経絡を介して全身を巡り、臓腑・器官・組織に活力を与える。 原気が旺盛であれば下腹部に張りがあり、体内の臓腑・器官も弱く障害を受けやすくなる。したがって活気があり、ねばり強く疾病にかかりにくい。 これに対して原気が衰えると、下腹部が軟弱となり、臓器・器官も弱く障害をうけやすくなる。したがって活動も弱々しく、疲れやすく、冷えて、疾病にかかりやすい。